キングダムオブカオスが分からない方は見ないほうがよろしいかと。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「かーさん」 少年。 「なぁに?」 少年の母。 「とーさん」 少年。 「なんだ?」 少年の父。 幼い少年は、引きずるように着込んだ赤い袴姿。 その少年の手は、頼りなく、父母の指を握り締めて。 悪戯に体ゆれてみたり、重をかけてみたり。 「僕ね、いつか、にーさん達や、とーさんにも負けない、強いやつになるんだ!」 「ほう。でも、いつも泣いてばかりじゃぁなぁ?」 「あら、この子も貴方の子供。きっと、強い男になりましょう」 しゃがみこむ母は、道端の花に一つ、こほんと咳を。 少年は、その母の背に乗っかりながら、邪気なく笑う。 「そうか。それじゃぁ明日からは、もっと厳しい稽古にしなければな?」 少年の父は、少ししょんぼりとした顔に微笑み、空を見上げる。 雲のある青い空を、まぶしげに。 少年も、同じように空を見上げる。 高い、途方もなく高い青を。 「ちくしょう」 空を見上げていた男は、嫌悪と罪悪にうなった。 男は過ぎ去っていく時を思う。 そうやって、ただ過していた。 そして、その日々のことをまた、思う。 だが、彼は気づかない。 時は過ぎ去らない。 時は動かない。 時は移ろわない。 動くのは時ではなく、時はその場ですべてを包み込むもの。 過ぎ去っていくのは、現実なのだ。 「ちくしょう」 PR |
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